長年にわたり漁業が盛んな地域であり、ジャワ海へのアクセスにも恵まれたラモンガン県は、インドネシアの海洋経済において重要な役割を担っています。同地域には数千人規模の漁業者が暮らし、その生計は日々の海上活動に大きく依存しています。2024年6月時点では、2つの郡・17の沿岸村にわたり、26,000人以上の漁業者が活動しています。この規模により、ラモンガンは東ジャワ州で漁業者数第3位に位置付けられる一方、漁獲量では州内トップを維持しています。
しかし近年、同地域では海岸侵食や土砂堆積といった課題が深刻化しており、特に沿岸部の環境変化が漁業者の生活に大きな影響を及ぼしています。これらの問題は、漁船の安全性や沿岸コミュニティの生活基盤を脅かすだけでなく、インドネシアのブルーエコノミー全体にも影響を及ぼしかねません。
こうした課題に対応するため、i-Sentraは2024年2月27日、防波堤(ブレイクウォーター)システムの整備に着手しました。本システムは、海岸侵食の抑制を目的とするとともに、波が高まるモンスーン期(12月〜1月)において、係留中の漁船の安全性を確保する役割を担います。防波堤は沿岸に到達する波のエネルギーを低減し、岩礁部の侵食を防ぐほか、漁港や航路の機能を阻害する土砂の堆積を抑制します。また、沿岸部の堆積土砂の除去もあわせて実施しました。
これにより、荒天時や高潮時における漁船の安全な係留が可能となるだけでなく、水の循環改善を通じて海洋環境の保全にも寄与しています。結果として、ラモンガンのブルーエコノミーを支える漁業資源の維持・回復にもつながる取り組みとなっています。
本防波堤整備は、ラモンガンの漁業者にとって、より安全で持続可能な将来への基盤となるものです。これまでモンスーン期には、荒波や不安定な沿岸環境の影響で操業を制限・中断せざるを得ませんでしたが、本取り組みにより、多くの漁業者が再び安定的に海へ出ることが可能となりました。これにより、家計の安定や新鮮な水産物の供給の継続にも寄与しています。
i-Sentraは本取り組みを通じて、SDGs目標11「持続可能な都市とコミュニティの実現」にも貢献しています。